Collaboration
コラボ実績
株式会社 オーゼットケー
所在地 | 大阪府八尾市南植松町4丁目23番1号 |
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URL | https://ozk-inc.co.jp/ |
主な事業 | ブラジャー、ボディスーツ、ウェストニッパー、サポーターなどファンデーション用付属部品製造・販売、医療機器製造 |
開発商品「フレックスパンダー」
「フレックスパンダー」開発のきっかけ
それはものづくり医療コンソーシアムの企業展示のブースから始まりました。
このブレスレットのような金属製のリングは一体何なのか?
柴田先生の目に留まりました。
そのとき柴田先生の頭の中には、心臓手術の際の課題となる光景が浮かんでいました。
最近行っている小さな創部から行う心臓弁膜症手術において、手術野を上手く展開する方法を模索していたからです。
このリングを応用して開いたまま保持することが出来ないかと思い、出展者に声を掛けたのがきっかけでした。
「衣料から医療へ」
この共同開発の中心となったのは、株式会社オーゼットケー山﨑氏です。
株式会社オーゼットケーは昭和27年創業で、山﨑金属製作所が前身の会社です。
創業者が、戦後、アメリカの進駐軍が持っていた通販カタログ冊子を手に取って見た時、一般には普及していなかったブラジャーの前身である「洋装下着」を見て「これからはこれらの時代になる」と思い、使われている金具やワイヤーの製造をされるようになりました。
しかし、次第に製造している部材が海外の安いコストで作られたものに代替されるようになり、何か新しいものに取り組むべく模索していた時、辿り着いたのが「医療分野」でした。
医療関係のセミナーへ調査に行く中「ものづくり医療コンソーシアム」のニーズ発表会で、「フレキシブル金属素材を用いて手術機械開発をしたい」という柴田教授からの提案を聞きました。
「フレックスパンダー」開発秘話
心臓外科の柴田先生とブラジャーのワイヤー製造が主なオーゼットケー山﨑氏、この2人の出会いは、ものづくり医療コンソーシアムがなければ決して交わることはなかったでしょう。
展示会の出会いから2人によるモノづくりの難しさ、葛藤が始まりました。
ゴムの心臓模型を使用してどのような状況で使用したいか説明していただいても、手術や心臓の構造など分からないことばかりで、思うように開発が進みませんでした。
そこで「心臓を触らせてほしい」と訴え、心臓手術の練習によく用いられている摘出されたブタ心臓を実際にふれさせてもらいました。心臓の柔らかさを体感することで一気に開発が前進しました。
山﨑氏はあきらめることなく、地道な努力と愚直に向き合い、機器の厚さや使い勝手に幾度もやり取りを重ねました。「手術中に執刀医がストレスを感じずに、よい視野で手術ができるように」との柴田先生からのリクエストに応え、「フレックスパンダー」が手術用医療機器として誕生しました。
そこには、もう一人の心強い支援者がいました。新和商事株式会社の森下社長です。
森下氏のアドバイスにより、特許戦略が加わりました。日本国内のみならず、海外数か国の特許も取得しました。
「フレックスパンダー」
フレックスパンダ―は、錫の特性を活かした開創器で柔軟性とある程度の剛性を持ちます。
小切開での心臓弁膜症手術に応用して、狭い創部からでも手術視野を大きく確保出来る開創器です。執刀医は錫の板を広げることにより、自分のやりやすい術野の添加が可能です。
医療と企業のさらなる発展に向けて
海外一流雑誌にも掲載されており、心臓外科医にフレクスパンダーを実際に触れていただき高い評価を得ています。柴田先生、オーゼットケーの山﨑氏、親和商事の森下氏による今回の取組みは、現在販売する商社様も加わり、日本の多くの医療従事者に使用されています。
この開発は、医療現場に大きく貢献されると期待しております。
ものづくり医療コンソーシアムは、今後も医療のニーズを企業の技術で具現化するお手伝いをしてまいります。